福利厚生サービスの種類と選び方|健康経営につながる制度設計
福利厚生サービスには、健康支援や育児・介護支援、レジャー割引など、さまざまな種類があります。従業員の満足度向上や採用力の強化が期待できる一方、目的を明確にせず導入すると、十分に利用されない可能性もあります。
自社に合うサービスを選ぶには、従業員のニーズや利用しやすさ、費用対効果を確認することが大切です。健康経営につなげるなら、制度を用意するだけでなく、従業員の健康課題に合った支援を継続的に利用できる仕組みも求められます。
本記事では、創業45年にわたって企業の健康づくりを支援してきたCOSPAウエルネスが、福利厚生サービスの主な種類と選び方を解説します。健康経営につながる制度設計や導入後の運用ポイントも紹介するので、福利厚生の新設・見直しにお役立てください。

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福利厚生とは?法定・法定外の2種類と全体像を整理

福利厚生とは、企業が給与や賞与とは別に、従業員とその家族の生活を支えるために提供する制度やサービスです。大きく分けると、法律で実施が義務づけられた「法定福利厚生」と、企業が独自に設計する「法定外福利厚生」の2種類があります。
法律で義務づけられた法定福利厚生は6種類
法定福利厚生とは、法律に基づいて企業が費用を負担する制度です。主に次の6種類があります。
種類 | 概要 |
|---|---|
健康保険 | 病気やケガにかかる医療費を軽減する。傷病手当金などの給付もある |
介護保険 | 40歳以上が加入し、要介護・要支援状態になった場合の介護サービス費用を支える。40〜64歳は、特定疾病が原因の場合に限り給付対象となる |
厚生年金保険 | 老後や障害、死亡時の生活を支える年金制度 |
雇用保険 | 失業等給付や育児休業給付などを支給する |
労災保険 | 業務中や通勤中に発生したケガ、病気、死亡などを補償する |
子ども・子育て拠出金 | 子育て支援施策の財源となり、事業主が全額を負担する |
これらは企業が任意で廃止・縮小できる制度ではありません。そのため、福利厚生の見直しでは、企業が独自に設計できる法定外福利厚生が主な検討対象になります。
経団連の調査によると、2019年度に企業が負担した福利厚生費は、従業員1人あたり月額108,517円でした。そのうち法定福利費は84,392円、法定外福利費は24,125円です。
法定外福利厚生は企業の目的に合わせて設計できる
法定外福利厚生とは、企業が従業員のニーズや経営課題に合わせて独自に導入する制度です。代表的な制度は、次の9カテゴリに整理できます。
カテゴリ | 制度の例 |
|---|---|
住宅・通勤 | 住宅手当、家賃補助、社宅、通勤手当 |
食事 | 食事補助、社員食堂、オフィスコンビニ |
健康・医療 | 人間ドック補助、メンタルヘルス支援、運動機会の提供 |
育児・介護 | 法定を上回る休業制度、ベビーシッター補助、両立支援 |
休暇 | リフレッシュ休暇、慶弔休暇、アニバーサリー休暇 |
自己啓発 | 資格取得支援、業務外の学習支援、書籍購入補助 |
財産形成 | 財形貯蓄、従業員持株会、企業型確定拠出年金 |
レクリエーション | 社員旅行、社内イベント、保養施設 |
働き方支援 | テレワーク環境の整備、副業・兼業支援、柔軟な勤務を支える制度 |
健康経営を強化したい企業であれば、健康診断や人間ドックの補助に加え、運動機会の提供やメンタルヘルス支援などを重点的に検討します。
福利厚生費として扱うための主な判断ポイント
法定外福利厚生を設計する際は、税務上の扱いにも注意が必要です。福利厚生費として経費計上できるかどうかは制度によって異なりますが、主に次の点が判断材料となります。
1. 対象者に公平性があること
一部の役員や従業員だけを優遇せず、一定の基準に基づいて利用できるようにします。
2. 金額が社会通念上妥当であること
福利厚生の目的に対して著しく高額な補助は、給与とみなされる可能性があります。
3. 制度の内容と運用基準が明確であること
対象者や支給条件を社内規程に定め、利用実績や支払いの記録を残します。
全従業員を対象にしていれば、すべて福利厚生費として認められるわけではありません。現金による支給や換金性の高い給付などは、給与として課税される場合があります。
福利厚生サービスの4つの提供形態
福利厚生サービスの提供形態は、大きく4つに分けられます。どの形態を選ぶかによって、導入コストや運用負担、従業員が選べるサービスの範囲が異なります。
提供形態 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
自社運営型 | 自社で制度や施設を用意し、運営する | 独自性を重視し、運営体制を確保できる企業 |
パッケージプラン | 外部事業者が提供する幅広いメニューを一括導入する | 短期間で福利厚生を充実させたい企業 |
カフェテリアプラン | 付与されたポイントの使い道を従業員が選ぶ | 従業員の属性やニーズが多様な企業 |
単体サービス導入型 | 特定の課題に対応するサービスだけを導入する | 目的と予算が明確な企業 |
失敗しない福利厚生サービスの選び方5つの基準

福利厚生サービスは、制度の数ではなく、自社の課題を解決できるかどうかで選ぶことが大切です。目的や利用者を明確にせず導入すると、使われない制度にコストをかけ続けることになりかねません。
選定時は、次の5つの基準を確認しましょう。
・解決したい経営課題が明確か
・従業員のニーズに合っているか
・利用率を含めた費用対効果が見込めるか
・雇用形態や勤務地を問わず利用しやすいか
・無理なく運用し、効果を検証できるか

それぞれ詳しく解説します。
解決したい経営課題から必要なサービスを絞り込む
まずは、福利厚生によって解決したい課題を明確にしましょう。目的が異なれば、選ぶべきサービスも変わります。
たとえば、健康経営を推進するなら運動や健康相談の支援、育児中の従業員の離職を防ぐなら保育・家事支援が候補になります。採用力を高めたい場合は、求職者にとって魅力が伝わりやすい制度が必要です。
従業員のニーズを調査して利用が見込めるか確認する
導入前に社内アンケートを実施し、従業員がどのような支援を求めているか確認しましょう。既存制度を見直す場合は、認知率・利用率・満足度も調査します。
利用率を含めて費用対効果を比較する
料金を比較する際は、月額費用だけでなく、実際に利用する従業員1人あたりのコストまで確認しましょう。
たとえば、従業員1人あたり月額300円のサービスでも、利用率が10%なら、利用者1人あたりのコストは実質3,000円です。料金が安くても、利用されなければ十分な効果は得られません。
雇用形態や勤務地にかかわらず利用しやすいか確認する
福利厚生サービスは、できるだけ多くの従業員が利用できる設計を選びましょう。正社員だけでなく、パート・有期雇用の従業員についても、待遇差に不合理な点がないか確認する必要があります。
運用負担と効果測定のしやすさを確認する
導入後の管理に手間がかかりすぎるサービスは、継続的な運用が難しくなります。申請や承認、利用実績の集計をどこまでシステム上で完結できるか確認しましょう。
利用状況を可視化できれば、経営層への報告や制度の改善にも活用できます。担当者が無理なく運用でき、導入効果を継続的に検証できるサービスを選びましょう。
健康経営にもつながる「運動・健康支援」という福利厚生の選択肢
法定外福利厚生を見直すなら、運動・健康支援は有力な選択肢です。従業員の健康維持だけでなく、生産性の向上や健康経営の推進にもつながります。

健康関連の福利厚生費は高い水準で推移している
経団連の調査によると、従業員1人あたりの医療・健康費用は月額3,187円です。法定外福利費に占める割合は13.2%で、1963年度の14.1%以来の高い水準となりました。
運動習慣は生産性低下の予防につながる
出勤していても、心身の不調によって本来の能力を発揮できない状態を「プレゼンティーイズム」と呼びます。肩こりや腰痛、メンタルヘルスの不調などが、パフォーマンスを低下させる要因です。
厚生労働省保険局のガイドラインには、3つの企業・組織に所属する約3,400人を対象とした健康関連コストの試算が掲載されています。
項目 | 構成比 |
|---|---|
相対的プレゼンティーイズム | 77.9% |
医療費 | 15.7% |
アブセンティーイズム(病欠) | 4.4% |
傷病手当金 | 2.0% |
つまり、運動支援は従業員向けのサービスであると同時に、生産性の維持・向上を目指す投資といえるでしょう。
健康経営優良法人の認定要件と結びつけやすい
健康経営優良法人2026の中小規模法人部門では、「運動機会の増進に向けた取り組み」が評価項目に含まれています。
そのため、運動支援を導入すれば、福利厚生の充実と認定取得に向けた取り組みを同時に進められます。従業員と企業の双方にメリットを示しやすく、社内提案にもつなげやすい施策といえるでしょう。
全従業員が対象にしやすく公平性を確保できる
運動支援は、年齢や職種、雇用形態にかかわらず対象を広げやすい制度です。特定のライフステージに限定される支援と比べ、幅広い従業員が利用できます。
運動支援を導入する2つの方法|法人会員とオフィスジムの違い
運動・健康支援の導入方法は、大きく2つに分かれます。「社外の施設を使う」か、「社内に環境をつくる」かです。
比較軸 | 法人会員サービス | オフィスジム |
|---|---|---|
導入のしやすさ | 契約後すぐ利用開始できる | 現地調査・設計・設置工事が必要 |
初期費用 | 抑えられる | 機器導入費が必要 |
利用場所 | 勤務先や自宅近くの施設 | 自社オフィス内 |
向いている企業 | 拠点が分散している/在宅勤務が多い企業 | オフィスに空きスペースがある企業 |
副次的効果 | 家族や休日の利用で生活習慣が変わる | 社内コミュニケーションの活性化 |
法人会員サービスは社外の施設を福利厚生として使える
COSPAウエルネスの法人会員サービスでは、フィットネスクラブ「コ・ス・パ」や24時間ジム「FITBASE24」を企業単位でご利用いただけます。
【法人会員サービスの3つのプラン】
・共通法人サービス:フィットネスクラブ「コ・ス・パ」の全店舗を対象とするプラン
・個店法人サービス:1店舗のみ利用できるプラン
・全国法人会員サービス:提携先を含め全国の施設を使えるプラン
また、利用状況について独自の月次レポートを提供しています。誰がどれだけ使ったかを企業ごとに集計してご報告するため、次の施策を検討する材料としてもお使いいただけます。
プランごとの料金や導入の流れは、法人会員サービスをご覧ください。
オフィスジムは社内の空きスペースを健康空間に変える
使われていない会議室や事務所の一角を、運動環境に転用する方法です。空間設計から運用サポートまでを一括でご提供しています。
【オフィスジムの導入事例】
・約92㎡の事務所に、ランニングマシン3台とトレーニングマシン6台を設置した事例
・約31㎡(約10坪)のスペースから始めた事例
・事務所の2階部分を活用した事例
マシン1台からでも導入できるため、「うちにはスペースがない」と諦める必要はありません。導入企業からは「使われていない会議室をジムにして有効活用できた」というお声もいただいています。
移動時間ゼロで運動できる点は、社外施設にはない強みです。昼休みや始業前の10分でも使えるため、習慣化につながりやすい傾向があります。
導入事例や設置の流れは、オフィスジムをご覧ください。
まとめ|福利厚生は「数を増やす」より「使われる制度を選ぶ」

福利厚生を見直す際は、制度の数を増やすのではなく、自社の課題や従業員のニーズに合うものを選ぶことが大切です。目的や費用対効果、公平性、運用負担を比較し、導入後も利用率や満足度を確認しましょう。
なかでも運動・健康支援は、従業員の健康維持と生産性向上、健康経営の推進につながる選択肢です。幅広い従業員が利用しやすい点もメリットです。
COSPAウエルネスでは、法人会員サービスとオフィスジムを用意しています。拠点数や利用人数、空きスペースなどを踏まえ、貴社に適した方法をご提案します。


