健康優良法人(健康経営優良法人)とは|認定要件と進め方
「健康優良法人とはどのような制度なのか」「認定を受けるには何から始めればよいのか」と疑問に感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。
正式名称は「健康経営優良法人」で、従業員の健康管理を経営的な視点から実践する企業を顕彰する制度です。認定を受けるには、健康診断の受診促進や運動機会の提供、メンタルヘルス対策など、部門ごとに定められた要件を満たす必要があります。
本記事では、創業から45年にわたり企業の健康づくりを支援してきたCOSPAウエルネスが、健康経営優良法人制度の仕組みや認定要件、申請までの進め方を解説します。認定のメリットや必要な費用、取り組みを継続するポイントも紹介するので、健康経営を推進する際の参考にしてください。

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健康優良法人(健康経営優良法人)とは?制度の全体像を整理
健康経営優良法人認定制度は、優れた健康経営を実践する法人を「見える化」する仕組みです。経済産業省が制度を設計し、日本健康会議が認定します。
大規模法人部門と中小規模法人部門の違い
健康経営優良法人には、大規模法人部門と中小規模法人部門があります。該当する部門は、業種ごとの従業員数などによって決まります。
大規模法人部門では「健康経営度調査票」に回答し、専用サイトから申請します。中小規模法人部門では、加入する保険者などの健康宣言事業へ参加したうえで、認定申請書を提出する流れです。
申請は例年8月中旬に受付が始まり、大規模法人部門は10月上旬、中小規模法人部門は10月中旬に締め切られます。いずれも17時に受付が終了します。申請方法と期限が異なるため、最初に自社の部門を確認しましょう。
ホワイト500などの上位区分がある
大規模法人部門の上位500法人は「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人は「ブライト500」です。中小規模法人部門の501位から1,500位までは「ネクストブライト1000」に認定されます。
健康経営優良法人に認定される3つのメリット

健康経営優良法人に認定されるメリットは、以下のとおりです。
・採用力の強化と人材の定着につながる
・企業イメージと社会的信用が高まる
・従業員の生産性向上と組織の活性化が期待できる
採用力の強化と人材の定着につながる
認定を取得すると、従業員の健康を重視する企業であることを求職者へ示せます。
働きやすさや健康への配慮は、求職者が企業を選ぶ際の判断材料です。認定ロゴを求人票や採用サイトに掲載すれば、自社の取り組みを第三者の評価とともに伝えられます。
企業イメージと社会的信用が高まる
認定を受けると、取引先や金融機関などに対して、従業員の健康へ継続的に取り組む企業であることを示せます。認定法人は「ACTION!健康経営」のポータルサイトでも公表されます。
従業員の健康への配慮は、ESGの「S(社会)」や人的資本経営にも関わる取り組みです。自治体や金融機関によっては、公共調達での加点や融資の優遇などを設けています。
従業員の生産性向上と組織の活性化が期待できる
健康施策を継続すると、心身の不調による生産性低下の予防につながります。とくに、出勤していても本来の能力を発揮できない「プレゼンティーイズム」への効果が期待できるでしょう。
健康経営優良法人の認定要件【中小規模法人部門】
健康経営優良法人の認定要件は「必須要件」と「選択要件」に分かれます。
必須要件:健康宣言と推進体制の整備
認定を受けるには、健康宣言を行い、継続的に健康経営を推進する体制を整える必要があります。
中小規模法人部門では、原則として、加入する保険者などが実施する「健康宣言事業」への参加が申請の前提です。そのうえで、健康宣言を社内外へ発信します。
主な必須項目は、次のとおりです。
・経営者自身の健康診断受診
・健康づくり担当者の設置
・保険者への40歳以上の従業員の健診データ提供
・健康課題に基づく目標設定と推進計画の策定
・受動喫煙対策
・取り組みの評価と改善
選択要件:3グループごとに必要な達成数が異なる
選択要件は17項目あり、3つのグループに分かれています。通常認定には、各グループで定められた項目数を満たす必要があります。
グループ | 項目例 | 必要達成数 |
|---|---|---|
①〜③ 健康課題の把握 | 定期健診の受診、再検査・精密検査の受診勧奨 | 2項目以上 |
④〜⑩ 健康経営の実践に向けた土台づくり | 教育機会、育児・介護との両立、高年齢従業員への配慮 | 2項目以上 |
⑪〜⑰ 従業員の心と身体の健康づくり | 運動機会の増進、食生活の改善、心の健康保持・増進 | 4項目以上 |
なかでも「運動機会の増進」を含む⑪〜⑰のグループは、7項目のうち4項目以上への適合が必要とハードルが高くなっています。認定を目指す際は、運動施策だけでなく、食事や禁煙、メンタルヘルスなども組み合わせましょう。
なお、ブライト500・ネクストブライト1000へ申請する場合は、17項目のうち16項目以上への適合が求められます。
2026年版で追加された要件と2027年版の考え方
2026年版では、「育児または介護と就業の両立支援」と「高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み」が追加されました。これに伴い、選択要件は15項目から17項目へ増え、通常認定に必要な達成数も7項目から8項目へ引き上げられています。
2027年版でも、各グループで定められた最低達成数を満たし、17項目のうち合計8項目以上に適合する基本構成は維持されています。ただし、認定要件は年度ごとに見直される可能性があります。
健康経営優良法人の認定取得までの5ステップ

認定取得までは、大きく次の5ステップで進みます。

ステップ1:健康宣言を行い推進体制を整える
まずは、協会けんぽや健康保険組合など、加入する保険者の健康宣言事業へ参加します。
保険者が健康宣言事業を実施していない場合は、自治体の事業への参加や自社独自の健康宣言でも代替可能です。宣言内容を社内掲示やWebサイトで発信し、健康づくり担当者を任命して推進体制を整えます。
ステップ2:健康課題を数値で把握する
次に、定期健康診断の受診率やストレスチェックの結果、運動習慣などを確認し、自社の健康課題を特定します。
課題を数値で把握しておけば、取り組みの優先順位を決めやすくなり、実施後の効果測定にも活用できます。
ステップ3:目標を設定し施策を実行する
この段階で重要なのが、取り組みの記録です。実施日や内容、参加人数、アンケート結果などを残していないと、申請時に実施状況を確認できません。申請に必要な証拠書類も整理して保管しましょう。
ステップ4:申請書を提出する
中小規模法人部門は、例年8月中旬から10月中旬の17時まで申請できます。認定申請料は1件15,000円、税込16,500円です。
申請期限や料金は、年度によって変更される可能性があります。申請前に中小規模法人部門の申請ページ(ACTION!健康経営)で最新情報を確認しましょう。
ステップ5:認定後も年間で回す仕組みをつくる
認定法人は、例年3月に発表されます。認定は毎年度行われるため、翌年度も認定を受けるには改めて申請する必要があります。
認定を取得して終わりにせず、効果測定と改善を続けましょう。次回申請までの年間計画を立てておけば、担当者の負担を分散しながら継続的に取り組めます。
健康経営優良法人を目指す企業に健康イベントがおすすめな理由
健康経営優良法人を目指す企業が健康イベントを取り入れる主なメリットは、次の3つです。
・体力測定で従業員の健康課題を可視化できる
・健康セミナーで知識と実践の機会を提供できる
・専門事業者への委託によって運営負担を抑えられる
体力測定で従業員の健康課題を「見える化」できる
体力測定は、健康診断だけでは把握しにくい筋力や柔軟性、持久力などを数値化できる施策です。
COSPAウエルネスの体力測定イベントでは、握力・上体起こし・長座体前屈・反復横跳び・立ち幅跳び・トレッドミル急歩の6種目を実施した事例があります。
結果はLINEから入力でき、全国の登録者と比較したランキングも確認可能です。従業員が自身の体力を知るきっかけとなり、企業側は組織の健康課題を定量的に把握できます。
健康セミナーで意識づけと運動機会を同時に確保できる
健康セミナーは、従業員の健康意識を高めながら、実践のきっかけを提供できる施策です。運動不足や腰痛への対策をはじめ、食事・栄養、睡眠改善など、自社の課題に合ったテーマを選べます。
COSPAウエルネスの健康セミナーは、令和7年度に600の企業・団体にご利用いただき、満足度は96.6%でした。
講義だけでなく、ストレッチや簡単なトレーニングなどの実技も取り入れられます。健康に関する知識を学ぶだけで終わらず、実際に体を動かす機会につなげられる点がメリットです。
外部の専門事業者に委託して担当者の負担を抑えられる
健康イベントには、企画や講師の手配、参加者への案内、当日の運営、効果測定などの業務が発生します。しかし、外部の専門事業者へ委託すれば、社内担当者の工数を抑えながら継続的に実施できます。
COSPAウエルネスでは、ご要望に応じてセミナー後のアンケートを実施し、結果をCSVファイルで提供しています。参加人数や理解度、満足度を記録として残せるため、効果測定や認定申請に向けた資料整理にも活用できます。

健康経営優良法人に関するよくある質問
Q. 中小企業や小規模な事業所でも認定を取得できますか?
A. 取得できます。中小規模法人部門が用意されており、従業員数の少ない法人向けの「小規模法人特例」も設けられています。
健康経営優良法人2026では、中小規模法人部門で23,085法人が認定されました。前年の19,796社から大幅に増えており、規模を理由に諦める必要はありません。
Q. 認定は毎年申請し直す必要がありますか?
A. 必要です。認定の有効期間は約1年で、翌年度も認定を受けるには改めて申請します。
毎年継続するには、単発の施策ではなく年間で回せる仕組みが欠かせません。体力測定を年1回の定点観測として組み込むと、効果検証と要件充足を両立しやすくなります。
Q. 認定されなかった場合、何が不足していたか分かりますか?
A. 中小規模法人部門では、ブライト500へ申請した法人に対してフィードバックが提供されます。通常申請の場合は評価結果が送付される仕組みです。
不足しやすいのは、達成数が4項目以上必要な⑪〜⑰のグループです。運動機会の増進を含むこの領域から見直すと、翌年の充足につながりやすくなります。
まとめ|健康経営優良法人の認定は継続できる制度設計が重要

健康経営優良法人の認定を目指すには、健康宣言や推進体制を整え、自社の課題に合った施策を継続することが大切です。とくに選択要件では、健康課題の把握から施策の実施、効果測定までを一連の流れとして設計する必要があります。
体力測定は従業員の身体機能を数値化でき、健康セミナーは意識づけと実践の機会を提供できます。参加人数や測定結果、アンケートを記録すれば、施策の改善や申請準備にも活用可能です。
COSPAウエルネスでは、どの施策から始めるべきかという段階からご相談を承っています。従業員数や拠点、健康課題を踏まえ、継続しやすい進め方をご提案します。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※制度情報は2026年9月時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。


