健康寿命とは?企業が取り組むべき理由と従業員の健康維持策
「健康寿命とは何を指すのか」「企業が従業員の健康寿命に取り組む必要はあるのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されずに過ごせる期間のことです。企業にとっても、従業員の健康維持は、休職や離職の予防、生産性の向上、健康経営の推進につながる重要な課題です。
本記事では、1981年の創業から健康づくりを本業としてきたCOSPAウエルネスが、健康寿命の意味や平均寿命との違い、企業が取り組むべき理由を解説します。運動・食事・メンタルヘルスなど、従業員の健康維持に役立つ具体策も紹介するので、健康施策を検討する際にお役立てください。

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健康寿命とは?平均寿命との差は男性8.49年・女性11.63年
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されずに過ごせる期間です。2000年にWHOが各国の健康寿命を公表したことをきっかけに、日本でも広く知られるようになりました。
日本の健康寿命は、厚生労働省が3年ごとに公表しています。なお、本記事で使用するのは、令和4年(2022年)の数値です。
平均寿命との差は「日常生活に制限がある期間」を示す
2022年における日本人の平均寿命と健康寿命は、次のとおりです。
区分 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
平均寿命 | 81.05年 | 87.09年 |
健康寿命 | 72.57年 | 75.45年 |
差(日常生活に制限がある期間) | 8.49年 | 11.63年 |

この期間は、必ずしも介護を受ける期間と一致するわけではありません。ただし、本人の生活や就労に影響するだけでなく、家族による通院支援や介護が必要になる可能性もあります。
女性は男性より平均寿命と健康寿命の差が長いため、性別や年代による健康課題の違いにも配慮する必要があります。
国は2040年までに健康寿命75歳以上を目標に掲げている
2019年に策定された「健康寿命延伸プラン」では、2040年までに健康寿命を2016年比で男女とも3年以上延ばし、75歳以上とする目標が示されました。
具体的な取り組みの一つが、国民運動「スマート・ライフ・プロジェクト」です。「健康寿命をのばそう!」をスローガンに、次の6テーマに関する行動を呼びかけています。
【スマート・ライフ・プロジェクトの6テーマ】
・適度な運動
・適切な食生活
・禁煙
・健診・検診の受診
・良質な睡眠
・女性の健康
同プロジェクトは、参画する企業・団体・自治体と連携して進められています。
また、「健康日本21(第三次)」でも、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が基本方針に掲げられています。企業による健康経営も、従業員の健康維持を通じて、国全体の健康寿命延伸を支える取り組みの一つです。
健康寿命が企業の経営課題になる3つの理由

企業が健康寿命の延伸に取り組むべき理由は、次の3つに整理できます。
・70歳まで働ける環境づくりが求められているから
・心身の不調が日々の生産性を低下させるから
・家族の介護による人材流出を防ぐ必要があるから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
70歳就業時代にシニア人材の戦力化が欠かせないから
人手不足が続くなか、シニア人材が健康に働き続けられる環境づくりは、企業の競争力を左右します。
改正高年齢者雇用安定法により、2021年4月から、事業主には70歳までの就業機会を確保する努力義務が課されました。
一方、2022年の健康寿命は男性72.57年、女性75.45年です。平均値で見ると、70歳はすでに健康寿命に近い年齢といえます。
不調による生産性低下が健康関連コストの大半を占めるから
出勤していても、心身の不調によって本来の能力を発揮できない「プレゼンティーイズム」への対策も重要です。
厚生労働省のガイドラインには、3つの企業・組織を対象に、健康関連総コストを分析した結果が掲載されています。
内訳 | 割合 |
|---|---|
相対的プレゼンティーイズム | 77.9% |
医療費 | 15.7% |
アブセンティーイズム(欠勤) | 4.4% |

腰痛や肩こり、睡眠不足、ストレスなどの不調は、欠勤として表面化しなくても日々の仕事に影響します。目に見えにくい損失だからこそ、アンケートなどで状況を把握し、早い段階から対策することが大切なのです。
従業員本人と家族の健康寿命が、介護離職リスクに直結するから
総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、2021年10月から2022年9月までの1年間に、介護・看護を理由として離職した人は約10万6,000人でした。管理職やベテラン従業員が介護によって離職すれば、企業は経験やノウハウを持つ人材を失うことになります。
企業が家族の健康寿命を直接延ばすことは困難です。しかし、介護休業や柔軟な働き方、相談窓口などを整えれば、仕事と介護の両立を支援できます。
健康寿命の延伸には現役世代からの対策が重要|企業が支援すべき4領域
従業員の健康寿命を延ばすには、現役世代のうちから生活習慣を整えることが重要です。
ここでは、企業が支援すべき領域を以下4つに整理しました。
領域 | 企業ができること |
|---|---|
運動 | 職場で体を動かす機会をつくり、運動不足を防ぐ |
食事・栄養 | 外食やコンビニでも実践できる選び方を伝える |
睡眠・メンタルヘルス | 心身の回復を促し、不調の早期発見につなげる |
健診データの活用 | 数値の意味と改善方法を伝え、行動を促す |
運動:職場に「体を動かす機会」を仕組みとして埋め込む
運動習慣を定着させるには、個人の意思に任せず、職場で自然に体を動かせる環境を整えることが大切です。
しかし、デスクワーク中心の従業員が、自力で運動時間を確保するのは簡単ではありません。次のような仕組みを職場へ取り入れましょう。
【職場でできる環境づくりの例】
・通いやすいフィットネスクラブと法人契約を結ぶ
・業務の合間にできる短時間の運動プログラムを実施する
・階段利用を促す掲示や立って作業できるスペースを設ける
食事・栄養:外食・コンビニ中心でも整えられる選び方を教える
食生活を改善するには、厳しい制限を設けるよりも、日常のなかで実践できる選び方を伝えることが効果的です。現在の生活を大きく変えなくても実践できる方法として、以下を検討するのがおすすめです。
【伝えたい食事選びのポイント】
・コンビニで主食・主菜・副菜をそろえる方法
・外食で栄養バランスを整えるメニューの選び方
・間食や飲酒の量・頻度を見直す方法
管理栄養士などの専門家が具体例を示せば、従業員は日々の食事に取り入れやすくなります。「食べてはいけないもの」ではなく、より健康的な選択肢への置き換え方を伝えましょう。
睡眠・メンタルヘルス:不調の入り口をふさぐ
睡眠不足や過度なストレスは、心身の不調やプレゼンティーイズムにつながります。
睡眠改善セミナーやセルフケア研修、相談窓口などを用意し、従業員が自ら不調に気づいて対処できる環境を整えましょう。
健診データの活用:数値を「自分ごと」に変える
健康診断の結果を行動につなげるには、数値の意味と具体的な改善方法をセットで伝える必要があります。
健診データの見方を学ぶセミナーや、課題に応じた運動・食事プログラムを組み合わせましょう。
従業員の健康寿命を延ばす施策の始め方3ステップ

従業員の健康寿命を延ばす施策は、以下の3ステップで始められます。
・STEP1:健診データとアンケートで自社の健康課題を可視化する
・STEP2:健康セミナーで「知るきっかけ」を全社に届ける
・STEP3:運動できる環境を用意し、習慣化まで伴走する
STEP1:健診データとアンケートで自社の健康課題を可視化する
まずは健診データや従業員アンケートを確認し、自社が優先して取り組むべき健康課題を特定します。
主に確認したい項目は、次のとおりです。
・従業員の年代構成
・健康診断の有所見率
・喫煙率
・運動習慣がある従業員の割合
「健康寿命を延ばす」という抽象的な目標を、自社の具体的な数値へ置き換える工程です。
STEP2:健康セミナーで「知るきっかけ」を全社に届ける
健康課題を特定したら、まずは幅広い従業員が参加できる健康セミナーから始める方法があります。
対面・オンライン・アーカイブ配信を組み合わせれば、勤務地や勤務時間が異なる従業員にも学ぶ機会を提供できます。健康経営優良法人の認定要件にある、ヘルスリテラシー向上の取り組みにもつなげられるでしょう。
なお、当社で提供しているプログラムは、健康セミナーページでご確認いただけます。
STEP3:運動できる環境を用意し、習慣化まで伴走する
セミナーで得た知識を行動へ移すには、従業員が継続的に体を動かせる環境が必要です。
フィットネスクラブの法人会員制度やオフィスジムなどを活用し、勤務前後や休憩時間に利用できる環境を整えましょう。
利用状況をレポートで把握できれば、施策の効果測定と継続的な改善につなげられます。
健康寿命の延伸を支援するCOSPAウエルネスの健康セミナー
COSPAウエルネスの健康セミナーでは、運動・食事・睡眠・メンタルヘルスなど、自社の健康課題に合ったプログラムを提供しています。
主な提供内容と、おすすめの企業は次のとおりです。
提供内容 | おすすめの企業 |
|---|---|
健康課題に応じたテーマの提案 | どの施策から始めるべきか決まっていない企業 |
対面・オンライン・VODによる実施 | 拠点が分散している企業や在宅勤務者が多い企業 |
有資格者による専門的な指導 | 正確で実践しやすい健康情報を伝えたい企業 |
アンケート・視聴状況の集計 | 参加率や満足度を数値で報告したい企業 |
法人会員サービスとの組み合わせ | 学んだ内容を運動習慣の定着につなげたい企業 |
講師は、健康運動指導士や管理栄養士などの有資格者です。運動・食事・睡眠・メンタルヘルスに加え、女性の健康課題や喫煙対策など、幅広いテーマから選べます。
健康セミナーの実績は、令和6年度が550企業・団体、令和7年度が600企業・団体です。申し込みから最短1ヵ月での開催にも対応しています。
詳細は、健康セミナーのページでご確認ください。継続的な運動環境を整えたい場合は、法人会員サービスも組み合わせられます。
自社に合うテーマや実施形式が決まっていない段階でも、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
健康寿命に関するよくある質問
最後に、企業のご担当者からよく寄せられる質問にお答えします。
日本人の健康寿命は何歳ですか?
2022年時点で、男性72.57年、女性75.45年です。厚生労働省が3年ごとに公表しているため、資料に引用する際は対象年も明記しましょう。
健康寿命の延伸は高齢者だけのテーマではないのですか?
いいえ、現役世代にも関わるテーマです。生活習慣病やフレイルの予防には、日頃の運動や食事、睡眠などが重要です。70歳までの就業機会確保が求められる現在、在職中から取り組む必要があります。
健康施策は何から始めるのが効果的ですか?
まずは自社の健康課題を可視化し、優先順位を決めましょう。そのうえで、全従業員が参加しやすい健康セミナーから始めると、参加率や満足度を測定しながら次の施策を検討できます。
まとめ|健康寿命への取り組みは現役世代から始めよう

平均寿命と健康寿命には、男性で約8年半、女性で約12年の差があります。この差を縮めるには、定年後ではなく、現役世代から運動・食事・睡眠などの生活習慣を整えることが大切です。
従業員が健康に働き続けられる環境は、生産性の維持や人材の定着、企業価値の向上につながります。つまり、健康寿命への取り組みは、福利厚生にとどまらない経営への投資といえるでしょう。
なお、COSPAウエルネスでは、企画の段階から企業の健康づくりを支援していますので、「何から始めればいいかわからない」という方はぜひお気軽にご相談ください。


